サピエンス全史2

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人類の繁栄は、個人の幸福と同じでない。
むしろ、往々にして人類の繁栄は、個人の幸福の犠牲の上になりたった。

 

 

ひとびとが、より豊かな生活をしたいと思って、農業に手を染めた。

たしかに、これまでの狩猟採集ではとうてい集められなかった量の食料が手に入った。

しかし一方で、個々のひとびとは、狩猟採集の時代よりも長時間・きつい労働をしなければならないハメになった。

 

牛は今世界に20億頭いて、もっとも繁栄した種といえる。
ただし、そのほとんど牛は凄惨な環境で肥育され、食肉とされる。

 

みんなのために、というのは、個人の幸福の犠牲を求めている。
幸福の追及という基本的人権に対立する、公共の福祉というやつ。
そんなの知っている。

新卒入社した当初、すさまじくブラックであった。
7時に家をでて、午前2時に会社を出る。毎日。

次第に、正常な感覚を失っていった。

産業革命の炭鉱の児童労働と似たような境遇が、とうに21世紀に入ったいまでも、厳然としてあり、それに自分が身をおいて消耗していくとは!

 

中学のころに歴史の教科書で見たあの挿絵は、今ではない遠い昔の、どこかの話ではなかったのだ!